立山と富山湾を臨む魚津市

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富山県魚津市は、山と海を臨む緑豊かな町である。そのため鰤やホタルイカ、ゲンゲなどに代表される海産物、林檎やブドウ、米などの農作物が名産物である。
その中でも海産物は富山特有の産品が多い。ホタルイカは富山県の特産で、魚津市から富山市にかけての海面はホタルイカの群遊海面として特別天然記念物として登録されている。ホタルイカは新月期になると深海から水面まで上がり産卵する。その際に沿岸の水面で神秘的な青い光を放つため大変美しい。そのためホタルイカの産卵の季節になるとホタルイカ観察フェリーが出たり、地元住民が網を持って沿岸で観察したりされている。ホタルイカ以外にも鰤は寒ブリとして全国に有名で冬になると脂がのった鰤が水揚げされる。この水揚げされた鰤は朝市で競りにかけられその様子は富山の地方ニュースでも報道され県民に冬の訪れを知らせてくれる。先に述べた二種と比べると有名ではないが、ゲンゲという魚も富山特有の海産物である。ゲンゲは全身がぬめぬめした深海魚で全長は２０ｃｍほどで、身は白く透明感がある。ぬめぬめした深海魚というと気持ち悪い印象を受ける県外の方が多いが、富山では一般的な魚として食卓に馴染んでいる。食卓では味噌汁や唐揚げにされて並びふわふわした食感で県民に愛されている。
富山特有の海産物を多数含む富山湾だが、神秘的な現象や天然品も生み出している。その中に蜃気楼と埋没林がある。蜃気楼は富山湾では主に魚津市で観測されており、光が屈折して虚像が見える現象である。また気温や風などの条件が整わないと見ることのできない珍しい現象である。この蜃気楼は魚津市の観光の目玉の一つで、蜃気楼が出た際には市役所から花火が上がり市民に知らされる。蜃気楼の時期になると魚津港などの沿岸ではカメラを構える観光客地元住民が見られる。蜃気楼の他に埋没林も魚津特有の観光スポットで、市内には埋没林博物館がある。この埋没林は国の特別天然記念物に指定されており、日本の地質百選にも登録されている。この埋没林は魚津港の改修工事の際に海底で発見され、その発見された場所がかつて陸地であった事を示す貴重な資料として保存されている。発見された埋没林の多くは杉で、2000年前に起きた片貝川の氾濫の際に土砂流入によって埋没されたと考えられている。埋没林は地中で密閉されていたので2000年前の花粉や種子、昆虫がそのまま残っていたため当時の環境を指標する大きな手掛かりとなった。